『デスニードラウンド ラウンド1』感想(酷評注意)

デスニードラウンド ラウンド1 (オーバーラップ文庫)

デスニードラウンド ラウンド1 (オーバーラップ文庫)

アサウラ先生の新作ということで、ベン・トーしか読んでいない自分ですが期待に胸を膨らませつつ手に取ってみたところ、まあ合わなかった、と。
ベン・トーに見受けられる自分の好きな要素が皆無だったというのに文句を垂れるのは、そもそも別作品なわけでお門違いだろうと思われるやもですが、
魅力あふれるキャラクターと迫力ある戦闘は、ガンアクションものでも必要なんじゃないんですか?と思った次第です。
特にアサウラ先生に関しては、そのあたりベン・トーで水準以上のものを見せてくださる方なので、尚更期待外れに思ってしまいました。
半額弁当争奪戦では肉を打つ感触までこちらに伝わってくる激しい戦いが繰り広げられているというのに、銃という兵器のなんとも淡白な描写。あ、あくまでこれを読んでいてそう感じただけで、ガンアクション自体への批判ではありません。
戦闘自体も、圧倒的な戦力を誇る敵を相手取っている割には誰も死なない、死にそうにないので、まるで緊張感を強いられませんでした。死人を出すか、いっそ俺TUEEEEEものとして敵を蹂躙してくれた方が読んでて爽快だったように思います。
キャラクターも、ベン・トーで言うなら茶髪、坊主、顎鬚レベルのモブっぷり。動機づけが不十分というか、今日日金の為ってんじゃどうにもつまらない。もっと心の奥から何かしらを渇望しているようなキャラにこそ自分は惹かれるのです。それこそ殺したい、とかもアリ。金にしてもそれなりにひねって欲しいです。借金て。
そしてロナウダの寒いこと。これなんか面白かったんですか?出オチもいいところですよ。なにか設定として活かされているのかと思えば、痛いセリフを吐くぐらいで、戦闘では謎異能なんぞ使う始末。
いやお前ロナウダいなかったらこの話のコンセプト成り立たんだろうがって意見もあるかもしれませんが、普通に北海道独立戦争とか、栃木群馬間紛争とか、そっちの方向性で広げていけば良かったんじゃないんですか?どうもあとがき読んだ感じ、こっちの方が一発ネタっぽくて期待はできなそうですけど。
イラストは良いんですけどね。もったいない。